学習塾を運営されている方や、学習塾にお勤めの講師の中には「最近、あの子の元気がないな」「あの子の成績が伸び悩んでいるな」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。生徒に不調がみられる原因は、コミュニケーション不足が原因である可能性が高いです。
本記事では、生徒とのコミュニケーションの重要性についてご説明します。
塾の問題はコミュニケーション不足から起こる
結論として、塾で発生する対人関係の問題はコミュニケーションを取ることで解決することができます。
また、「少し怪しいかな」と思ったときにコミュニケーションを取ることで、問題が大きくなる前の早期解決も可能です。
一方、コミュニケーションが十分に取れていない学習塾は退塾の可能性が高かったり、業務が滞ったりする傾向にあります。
しかし、生徒や部下とコミュニケーションを図りたいと考えていても、なかなか話しかけてはくれないものです。
多くの生徒や部下は、目上の方と話すことに抵抗を覚えており、緊張してなかなか話すことができない方が多くいらっしゃいます。
そのため、塾長や先生方は、自分から部下や生徒に話すようにしましょう。
コミュニケーションを図ることで相手の意図や、何を目的としているのかを理解することができます。
生徒については苦手科目や勉強方法など、現状に不満を抱えていることが多い傾向にあります。
部下については指導の進捗や生徒の態度など、運営や離職に関する問題を多く抱えているものです。
このような情報は実際に本人に聞いてみなければわからないことが多いため、コミュニケーションが重要とされています。
生徒とのコミュニケーションが重要な理由
こちらでは、生徒とのコミュニケーションが重要な理由についてご説明します。
退塾対策
生徒とコミュニケーションをとる理由の一つとして、退塾対策が挙げられます。
学習塾の経営者や講師は、通学している生徒の保護者からいただく学費から給料が支払われます。
そのため極端に言えば、生徒が退塾すると学費をいただけないので、経営者や講師は給与を得ることができなくなります。
退塾の原因は生徒の成績が上がらない、生徒間でのいじめ・関係性の悪化など、学習塾側が生徒の様子をよく見ていないことが原因となるケースもあります。
いずれも学習塾側と生徒間でコミュニケーションをとり、真摯に対応することで、退塾を防ぐことができます。
やる気を上げる
生徒は成績が上がったり、学習が楽しく感じたりするとやる気が上がります。
生徒のやる気が上がると成績も向上しやすくなり、また成績が上がると生徒のやる気がさらに上がるので、良い連鎖が続きます。
生徒のやる気を上げる方法は、生徒一人一人をよく見て、それぞれの生徒に合ったやり方で対応していき必要があります。
必要に応じて、良い結果をほめてあげたり、悪い結果の改善点を示してあげたりすることで、生徒との関係性を強くしていく事ができます。
生徒とのコミュニケーションの取り方
こちらでは、生徒とのコミュニケーションの取り方についてご説明します。
安心感を与える
学習塾である以上、学習塾側は大人で指導を受ける生徒は子どもです。
生徒の中には大人に話しかけることに抵抗がある子どももいるので、大人から打ち解けていくようにしましょう。
大人から話しかけることで「この問題がわからない」「志望校に合格できるか相談したい」など、聞かなければわからなかった悩みや相談を受けることができます。
通学している生徒の悩みを解決し、安心感を与えるためにも、生徒や保護者に合わせた対応を取りましょう。
ほめる
「学習塾に通学してからテストの点数が上がった」「わからなかった問題を解くことができた」時は、生徒や学習塾側が成長を感じる瞬間であるといえます。
生徒が成長したと感じた際は、素直にほめてあげましょう。
「もっとできるだろう」と発破をかけたほうが成長する生徒もいるかと思いますが、逆にやる気が下がる生徒もいます。
ほめられた生徒は自身が成長した、認められたと認識をするので、以前よりもさらにやる気をだして授業に臨むようになります。努力が実った時や成長を感じた時は、素直に生徒をほめることも重要なコミュニケーションのひとつです。
課題を与える
成果が出た・出なかったに関わらず、通学している生徒には次に何をすれば良いのかを示すために課題を与えましょう。
「○○の科目が得意だから一つレベルが高い問題を解いてみよう」「○○の科目が苦手なのでこの部分をよく読んでみよう」など、長所を伸ばしたり短所を克服させたりなど、生徒ごとに課題を出すことで学力向上が期待できます。
何をすれば良いのかがわからない生徒を導くためにも、成果に関わらず課題を与えるということもコミュニケーションであるといえます。
コミュニケーション不足と感じるサイン
生徒とのコミュニケーションが不足していると感じるサインには、成績が落ちたり遅刻や欠席が増えたりすることなどが挙げられます。
成績が落ちた場合は保護者から「通わせる意味がない」と思われてしまうため、なぜ成績が落ちたのかを考えたうえで、生徒と心境や対策を話す必要があります。
遅刻や欠席が増えた場合は学習塾内外の人間関係による可能性が高いため、生徒の心境などについて話をする必要があります。
保護者とのコミュニケーションも非常に重要
塾長や先生方は、生徒や部下とだけコミュニケーションを取れば良いというわけではありません。
こちらでは、塾と保護者間のコミュニケーションが重要である理由についてご説明します。
保護者も不安を抱えている
実際に授業を受けるのは生徒ですが、塾代を支払っているのは保護者の方たちです。
そのため、塾に通わせても成果が表れていなかったり、家で勉強しなかったりすると不安に感じるものです。
このような悩みに対して、塾側は指導内容や目標、現状の課題と解決方法などを話すことで、不安を解消する必要があります。
結論として、保護者が塾に求めるものは学力の向上などの結果です。
希望する結果をどのように得るのかといったことを伝えることで、コミュニケーション不足が解消されるでしょう。
1度では不安は解消されない
とはいえ、保護者と数ヶ月に1度話せば不安は解消されるのかというと、そうではありません。
その間に生徒たちはさまざまな変化をするため、その変化にどのような対応をしているのかが気になるところです。
保護者とのコミュニケーションで重要なポイントは、接触回数です。
1度の面談で長時間いただくよりも、短時間の面談を複数回取ったほうが有効なことが多いです。
相手に接する回数が増えることで好感度や評価を上げる効果を「単純接触効果」と呼び、多くの塾が採用している方法です。
塾講師・スタッフ間のコミュニケーションも円滑に
業務をスムーズに行うためには、先生同士や塾長といった関係者間でのコミュニケーションは欠かすことができない要素です。
下記、塾の関係者同士でコミュニケーションを図ることによって得られるメリットです。
・ミスやヒューマンエラーが少なくなる
・生徒の評価が上がりやすくなる
・苦手な要素をカバーしあえる
・離職率を下げられる
・関係者の雰囲気が良いことが生徒たちにも伝わり、塾全体が明るくなる
ミスやヒューマンエラーは、たいていの場合ひとりで物事を処理する際に発生しやすい傾向にあります。
関係者同士で二重・三重のチェックを行うことでヒューマンエラーを防ぐことができ、業務の質が向上します。
また、業務のなかには生徒への指導が含まれているため、質が上がれば生徒の学力が向上しやすくなります。
苦手の克服方法などを聞くことで打開策を見出したり、交代が可能な業務の場合は変わってもらうなどの助け合いができたりします。
業務がスムーズにできると気分が良くなり、楽しい授業ができるため塾全体が明るくなるといったメリットを得られます。
そのため、業務の滞りや退塾率が高いと感じたときは、コミュニケーションの回数を増やしてみましょう。
おわりに
本記事では、生徒とのコミュニケーションの重要性についてご説明しました。
生徒とのコミュニケーションは退塾対策だけでなく、生徒自身のやる気を上げるためにも重要です。
「最近、あの生徒の様子がおかしいな」と感じたら、まずはコミュニケーションをとってみるようにしましょう。
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