自分が習得しているスキルや好きなことを追究して収益化するために、スクールの開業を検討している方は多いでしょう。
生徒のなかにも、指導を通してスキルを高めたり、趣味を充実させたりといった目的を持つ方は多いものです。
しかし、スクールのなかには開業しても生徒が集まらず、泣く泣く閉業してしまうところがあります。
本記事では、スクールを開業する際の流れや必要な準備のほか、成功へ導くためのポイントについて解説します。
スクール開業の失敗を招く原因
下記は、スクールを開業したものの期待していたような収益を得られず、失敗してしまう原因の一例です。
・スクールの目的やコンセプトが定まっていなかった
・集客ができない場所で開業してしまった
・資金計画や見通しが甘かった
・必要な資材を用意していなかった
・法的に問題があった、事前に法律を確認していなかった など
スクールを開業する前に、市場調査や需要、立地条件、教室のキャパなどさまざまな要素を考慮しなければなりません。
これらを個人で考えていても、どうしてもヌケモレが発生してしまい直前で準備しなければならないことがあります。
立地については簡単に変えられない要素であることから、取り返しがつかない問題が発生する可能性もゼロではありません。
特に、集客を怠ってしまうと生徒の数が増えにくく、収益を得られないことから、収益に大きな影響を及ぼします。
結論として、スクール開業の失敗を招く主な原因は、検討する要素が足りなかった、考えが浅かったことだといえます。
スクール開業の流れ
こちらでは、スクール開業の流れをご紹介します。
1. 目的・コンセプトを決める
個人がスクールを開業する際、経営者となるため、スクールを開業する目的やコンセプトが重要になります。
たとえば、一言で学習塾といっても、難関校に合格することが目的なのか、日頃の授業の理解を深めることが目的なのかなどです。
目的やコンセプトを定めることによって経営方針がブレなくなり、生徒の信頼を得やすくなるメリットがあります。
2. 場所を選ぶ
開業場所は今後の収益に大きな影響を及ぼす要素のひとつであるため、ターゲットとなる生徒の行動や生活様式から開業地を選びましょう。
たとえば、仕事帰りの会社員を対象とする場合は駅前、料理教室の場合は自宅といったものが挙げられます。
また、レンタルスペースや地域の集会所を借りると、特定の場所に固定されずにスクールを運営できます。
3. 資金計画を立てる
スクール運営もビジネスであることから、収入や支出といった資金繰りを入念に検討する必要があります。
資金計画を立てる際には、初期費用とランニングコストなど、出費を算出しておきましょう。
これらを算出することで、毎月必要となる収入や会費、生徒数などを算出できます。
4. 開業に必要なものを購入する
開業時に必要なものは初期費用に含まれますが、何にいくら使ったのかを見返せるように細分化して記録に残しておきましょう。
テキストや机、いす、ホワイトボードといった、指導時に使用するものや、生徒が学びやすくなるような備品などが該当します。
生徒にあらかじめ用意してもらうものもありますが、スクール内で購入できるようにしておくと親切です。
5. 法的な問題を確認する
スクール開業は個人事業主となるため、管轄の税務署へ開業届を提出しなければなりません。
スクールの運営に関する法律のなかには、民法や会社法、労働基準法といったものが含まれます。
開業に関する法律を把握せずにスクールを開業してしまった場合、知らないうちに違法行為をしていたということになりかねません。
スクール開業のメリット・デメリット
下記にて、スクールを開業することで得られるメリットと、発生するデメリットをご紹介します。
メリット
スクールを開業することで得られるメリットには、下記が挙げられます。
少ない初期費用やランニングコストで運営できるものがある
スクールのなかには大規模な設備投資やたくさんの備品を必要としないものがあることから、低コストで運営できるものがあります。
自宅やレンタルスタジオなどを借りることで賃料を抑えられるほか、生徒数によって場所を変えるなど柔軟な対応も可能です。
習得していたスキルや特技、趣味を活かせる
スクールを開業するということは、そのレッスン内容はご自身が長年続けていた、好きなものであることがほとんどです。
習得していたスキルや特技、趣味を生徒に指導し、収益を得られる点はスクール開業のメリットといえます。
時間を調節しやすい
個人経営のスクールは営業時間や休業日などを自由に設定できることから、副業にも適しています。
自宅でスクールを開業することによって、移動時間や賃料など、時間・金銭のコストを下げられます。
デメリット
一方、スクールを開業することで下記のデメリットが発生する点には注意しましょう。
競合の存在
スクールに限らず、自分が身を置くビジネスには多くの競合が存在しており、新規・既存顧客の取り合いが発生します。
競合に生徒を取られないためには、レッスンの質を向上させることや集客のマーケティングが重要です。
大手よりもマーケティング費用が少ない
各メディアを見ていると、同業他社の大手がCMを売っていたり、Web広告を配信していたりします。
マーケティングは人件費や外注費などが発生しますが、個人経営のスクールではプロモーション費用を捻出しにくいことが多いです。
その為、費用対効果の高い広告運用や細かな集客手法の強化が大切です。
スクール開業に必要な準備
スクールを開業する際には、下記でご紹介するものを用意しておきましょう。
書類
個人経営のスクールを開業する際、下記の書類が必要です。
・開業届
・本人確認証
・事業開始等申告書
・雇用保険適用事業所設置届
・労働保険 保険関係成立届 など
あとから慌てて用意しなくてもいいように、これらの書類は早めに集めておきましょう。
集金システム
生徒にとって、毎月月謝を手渡しするだけではなく、振り込みやクレジット払いなどの方法があったほうがありがたいものです。
集金システムを導入することでユーザーは便利に支払えるだけではなく、収支の管理が容易になります。
出退勤・入退室管理システム
スクールに勤務する社員の出退勤を管理するためには、出退勤・入退室管理システムがおすすめです。
手書きの場合は書き換えられる可能性がありますが、データに残すことで見直しや管理が容易になるメリットを得られます。
スクール開業を成功へ導くポイント
スクールを成功に導くためには、下記のポイントを押さえておきましょう。
独自の魅力やコンセプトを確立する
開業予定のスクールと同業種のスクールを見てみると、さまざまな魅力やコンセプトが見受けられるものです。
大手の真似をしても魅力に感じる人は少なく、入会に至らない可能性があることから、独自の魅力やコンセプトを確立しましょう。
常に学び続ける
高いレベルのスキルや特技、趣味を持っていても、経営のスキルについては明るくない経営者が多くいらっしゃいます。
経営や人脈の活用、集客方法など、経営者には常に学び続ける姿勢が求められます。
相談相手を作る
不安なことや懸念点が発生した場合、ひとりで悩んで考えていても最適な回答を得られないことがあります。
スクール経営におけるリスクを軽減するために、起業家や商圏が離れている経営者など、相談相手を作っておくと良いでしょう。
こちらのコラムでは、スクールや学習塾の経営に関するコツやポイントをご紹介しておりますので、ぜひご一読ください。
おわりに
本記事では、スクールを開業する際の流れや必要な準備のほか、成功へ導くためのポイントについて解説しました。
スクール開業は下記の流れで進行すると、焦らずに経営を行えます。
2. 場所を選ぶ
3. 資金計画を立てる
4. 開業に必要なものを購入する
5. 法的な問題を確認する
スクール開業は少ない初期費用やランニングコストで運営できるものがある、習得していたスキルや特技、趣味を活かせる、時間を調節しやすいといったメリットを得られます。
人に教えられるようなスキルや特技、趣味をお持ちの方は、スクール開業を検討してみましょう。
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