学習塾を開業・運営する際、多くの生徒を導いて収益を得たいと考えられていることでしょう。
しかし、集客できなかったらどうしよう、収益が上がらなかったらどうしようといった不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。
塾の運営には、成功へ導くために押さえておくべきポイントがあります。
本記事では学習塾開業の基礎知識として、塾経営を成功へ導く秘訣をご紹介します。
塾の種類
学習塾には、下記のように「集団塾」「グループ指導塾」「個別指導塾」といった種類があります。
集団塾
集団塾は、小学校や中学校のようにひとりの講師が数名から数十名の生徒を対象に学習指導を行う形態です。
効率良く多くの生徒を指導することができますが、広いスペースが必要となる点には注意が必要です。
グループ指導塾
グループ指導塾は先述した集団塾から規模を下げた、数名の生徒を対象に指導をする形態です。
数名に絞ったことによって講師が管理しやすくなるため、生徒の様子を確認しながら授業を進めることができます。
個別指導塾
個別指導塾は講師と生徒が1対1、もしくはそれに近い人数の生徒に対して授業を行う形態です。
生徒のペースに合わせることができ、わからない点を徹底的に解消することができるため、生徒は高い満足度を得ることができます。
開業に必要な費用
こちらでは、学習塾の開業に必要な費用をご紹介します。
開業資金
個人塾における開業資金には、物件の取得費用や内装工事費用などが含まれます。
自己資本だけで開業が難しい場合、公的機関や金融機関からの融資を利用できる場合があります。
塾の規模によって変動しますが、一般的に300万~500万円程度の初期費用が必要です。
また、フランチャイズで経営する場合は、加盟金やシステム導入等があるので、300万~1,000万円程度の用意が必要な場合もあります。
ほかには講師が使う教材や参考書、過去問などもそろえておきましょう。
運転資金
学習塾を開業したあとは、プロモーション費用や光熱費、人件費といったさまざまな費用が必要となります。
開業したばかりの学習塾は認知度が低いため、認知拡大を目的としてチラシや広告といったプロモーションを行うことが重要です。
また、講師や生徒が使用する光熱費のほか、講師を雇用するための人件費が発生します。
学習塾の収益は生徒からの授業料が収益となるため、多くの生徒を集めることが重要です。
しかし、生徒の数に対して講師の数が少ないと、サービスの質が低下するため退塾の可能性が高くなります。
一方、生徒の数に対して講師の数が多い場合、収益が低くなってしまうことから、人員配置の変更を余儀なくされます。
そのため、学習塾を運営する前に収支なども含めて事業計画を入念に考えておきましょう。
学習塾を開業するメリット
学習塾は、飲食店やクリニックと比べて低コストで開業することができます。
自宅で開業した場合やフランチャイズで経営をする場合、初期費用や運転資金をさらに抑えることができる点が魅力です。
在庫についても資料やペンなどの備品だけで済むため、省スペースで済む点もメリットと言えます。
また、小中学校などの教員のように免許は不要であることから、誰でも開業することができる点も特徴です。
学習塾を開業するデメリット
一方、学習塾を開業するためには生徒数の確保や光熱費といったランニングコストが課題です。
特に、生徒数の確保は学習塾や講師の収益に直結する課題であり、多くの学習塾経営者が頭を抱えています。
テナントとして事務所を借りている場合、テナント料も大きな課題となります。
このように、学習塾を開業することで収入と支出のバランスを取る必要がある点には注意が必要です。
また学習塾は資格がいらない為、ライバル教室が現れやすいので、教室独自のブランディングや生徒を集める為の仕組みを持つ事が大切です。
失敗する塾経営者の特徴
一概には言えませんが、学習塾の運営に失敗しやすい経営者には特徴があります。
こちらでは、失敗する学習塾経営者が持つ特徴をご紹介します。
生徒のニーズに対応できていない
学習塾に通う生徒は、苦手科目の克服や得意科目の強化といったさまざまなニーズを抱えています。
講師はそれぞれのニーズを満たす必要がありますが、なかには塾の指導方針を優先してしまう方がいらっしゃるものです。
その結果、「ここでは自分の希望は通らない」と感じる生徒が増えてしまうことで、退塾者が増加し、経営が失敗してしまいます。
マーケティングリサーチができていない
マーケティングリサーチは、自社の収益を増やすために市場や業界動向などの調査・分析を行う作業です。
こちらが十分にできていない学習塾では、開業地や集客方法を間違えてしまうことにより、費用対効果が悪化してしまいます。
生徒を集めたくても集まらないという状況に陥らないように、マーケティングリサーチは入念に行いましょう。
生徒が集まる仕組みを作れていない
リアル店舗型の学習塾でも、オンライン型の学習塾でも、生徒を獲得する為の仕組み構築が大切です。
いくら良いサービス・指導を提供していても、それを認知してもらわなければ意味がありません。
「認知拡大~見込み顧客教育~体験申込み」といった、体験や見学に参加するまでの生徒集客導線の仕組み作りが非常に大切です。
失敗から学ぶ塾経営を成功させる秘訣とは?
このように、学習塾の運営は、さまざまな失敗の可能性があることがわかります。
しかし、その失敗から学ぶことは多いものです。
たとえば、生徒とのコミュニケーション回数の向上が挙げられます。
先述の通り、生徒は短所の克服や長所を伸ばすといったさまざまなニーズを持つものです。
講師は生徒と話をして、何をどうしたいのか、そのために授業をどのようにするのかといった改善を行いましょう。
また、生徒が集まってこそ、良い指導を提供できるので、開業後は生徒をまずはしっかりと集めていく事が大切です。
学習塾運営が上手くいかない際は、なぜ失敗しているのか、理由を見つけて改善していきましょう。
おわりに
本記事では、成功する学習塾の運営方法についてご紹介しました。
学習塾には集団塾やグループ指導塾、個別指導塾といったさまざまな形態があり、開業資金や運転資金が異なります。
失敗しやすい学習塾運営者は生徒のニーズに対応できていない、マーケティングリサーチができていない、生徒集客の仕組みが作れていないといった特徴を持ちます。
学習塾運営では何かしらの失敗をしてしまうものですが、そこから何を学び、何を活かすのかを見出すことが重要です。
トライアンドエラーを繰り返し、多くの生徒が集まる学習塾を運営しましょう。
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