近年、日本ではビジネスなどのグローバル化が進んでいるため、英会話の需要が高まっています。
国際化社会に対応し、世界で活躍したい人をサポートするためや、自分が持つ英語スキルを使ってビジネスをしたい方のなかには、英会話教室を開業したいと考えている方もいらっしゃると思います。
本記事では、英会話教室を開業・経営したい方に向けて、必要な資格や費用について解説します。
英会話教室の種類・コンセプト設計
一言で英会話教室といっても、実はターゲットやコンセプトなどの違いからさまざまな種類が含まれます。
下記にて、英会話教室の種類・コンセプトを設計する際に考えておくべきターゲットについてご説明します。
子ども向け
近年ではグローバル化が進んでいるため、小さいうちから英語に慣れ親しんでほしいという親御さんが多くなりました。
ほとんどの子ども向け英会話教室はマンツーマンではなく、複数名でのグループレッスン方式が採用されています。
指導方法についても歌やダンスなどを取り入れている教室が多く、楽しく学んでもらうための工夫を凝らさなければなりません。
また、ハロウィンやイースターといった、英語圏の文化を教育することで英語への理解を深める教室もあります。
大人向け
大人向けの英会話教室で指導するのは、商談や会話の際に使用するビジネス英語になります。
海外企業との取引を予定していたり、海外に赴任予定の方だったりが英会話教室に通い、ビジネス英語を身に付けます。
また、ビジネスパーソン以外にも海外旅行が趣味の方など、大人向けの英会話教室にはさまざまなニーズが求められます。
そのため、大人向けの英会話教室を開業する際には明確にどのようなターゲットを集めたいのかを決めておくことが重要です。
受験・資格対策向け
英語に関する資格には英検やTOEICなどが含まれており、就活や昇格のために取得が求められることがあります。
多くの場合、大学生や社会人が対象になり、独学で勉強をする方がいらっしゃいますが、多くの時間を要してしまうものです。
独学は費用がほとんどかからない一方、勉強方法を間違えていると多くの時間を無駄にします。
要点を押さえて効率良く高得点を取得したい方に対して、英語教室は最適な指導をしなければなりません。
英会話教室の開業に資格は必要?
結論として、英会話教室を開業するために必要な資格はありません。
しかし、下記のような資格や検定・試験を受験し、高得点を獲得しておくことで生徒さんの信頼や集客に役立つことがあります。
また、下記のような検定以外にも、留学などの経歴も集客においては目に留まりやすいアピールポイントとなるでしょう。
英語検定
日本英語検定協会が実施している英語検定は、学校や企業に属している多くの方が受験しています。
英語検定を受験することで、日常会話やビジネスシーンといった、さまざまなシチュエーションに対応することができます。
TOEIC
TOEICは国際ビジネスコミュニケーション協会が実施している試験で、ビジネスシーンを対象とした問題が出題されます。
試験の目的はグローバルに活躍する人材を育成することで、英語を使用する多くのビジネスマンが受験しています。
英会話教室の開業形態とメリット・デメリット
英会話教室には、経営者の自宅やオンライン、テナントを借りて運営するといった、さまざまな形態があります。
こちらでは、それぞれの形態における特徴と開業費用をご紹介します。
自宅での運営
英会話教室を自宅で行う際、テナント料などが不要となるため開業にかかる初期費用を抑えることができます。
しかし、マンションなど賃貸物件によっては賃貸借契約により、開業ができないことがあります。
そのため、事前に契約内容を確認しておき、必要な場合は契約変更や新規契約を締結しましょう。
メリット・デメリット
自宅で開業すると、初期費用やランニングコストを大幅に抑えるだけではなく、指導方針も自由に決めることができます。
一方、騒音などによる近隣住民とのトラブルや、自宅がバレてしまうといったリスクが発生する点には注意しなければなりません。
オンラインレッスン
近年では外出を控えたり、他人との接触を懸念したりする方が増えたため、テレビ電話などを利用したオンラインでのやり取りが増えました。
英会話教室においてもオンラインレッスンが採用される傾向にあるため、離れた場所でもレッスンを実施することができるようになりました。
オンラインレッスンを行う場合、自宅でも実施が可能ですが、インターネットなど通信環境を用意しておく必要があります。
メリット・デメリット
オンライン教室は生徒を特定の場所に集める必要がないため、全国の方が生徒になってくれる可能性があります。
しかし、通信環境が整っていなかった場合、安定した通信ができないことにより十分な指導ができないリスクが存在します。
また商圏は広くなる一方、大手教室などのライバルも増える為、入念なマーケティングが必要となります。
テナントを借りる
テナントを借りて英会話教室を開業することで、立地による集客も見込めるため、複数人を対象としたレッスンを行うことができます。
しかし、自宅で開業する場合とは異なり、敷金・礼金といった初期費用や毎月の賃料が発生するため、収支のバランスを考えた経営が必要です。
メリット・デメリット
駅地下やオフィス街、通学路など人が多い場所のテナントを借りることで、生徒を増やしやすいといったメリットがあります。
一方、敷金・礼金といった初期費用がかかる点や、場所によっては通勤時間が発生するデメリットには注意が必要です。
フランチャイズ経営
フランチャイズとは、大手英語教室の看板やノウハウを借りて経営する方式で、全国的に展開している特徴があります。
テレビやインターネットなどさまざまな媒体で広告を配信していることから、知名度が高い点も魅力です。
メリット・デメリット
フランチャイズ経営ではブランド力を利用できたり、指導や経営のノウハウを得られたりする点がメリットとなります。
しかし、ロイヤリティの支払いや教材・指導方針の自由度が低いため、思うような経営ができないことがデメリットです。
英会話教室の開業資金の目安
下記、英語教室を開業する際に必要となる資金の目安です。
・コピー機やPCなどの設備費 :20万円程度
・テナントを借りる場合の敷金・礼金など :300万円程度
・教材費 :ひとりあたり10,000円程度
これらを回収するため、指導形式などによって異なりますがレッスン費は1回あたり2,000円から10,000円に設定します。
英会話教室を健康経営するためのコツ
英会話教室の集客を行うためには、下記のポイントをおさえておきましょう。
ターゲット
英会話教室によっては、子どもを対象にしたものや社会人を対象にしたものなど、さまざまなターゲットを対象とした教室があります。
ターゲットによっては駅前など立地が良いテナントの方が良かったり、安心感がある自宅の方が良かったりするため、経営方針にも大きく関わります。
そのため、英会話教室を開業する際は、必ずターゲットを明確にしておきましょう。
レッスンの形式
レッスンの形式とは、マンツーマンやグループといった、指導方針を指します。
しっかりと指導をしたい場合はマンツーマン、一度に多くの生徒さんを指導したい場合はグループといったように、レッスンの形式を決めておくことが重要です。
資金調達
先述の通り、英会話教室を開業する際には数十万円から数百万円単位の資金が必要となります。
自己資本でまかないきれなかった場合は金融機関に相談し、融資を受けて開業資金を準備しましょう。
備品購入・システム導入の検討
資金調達後は、ホワイトボードや教材、勤怠システムなど教室経営のインフラを支えるものを選定しましょう。
要不要を選別して、必要なものは調達資金を使用して購入します。
積極的な集客
英会話教室を開業しても、思うように生徒さんが集まるとは限りません。
そのため、紙媒体のチラシやインターネットを利用した集客ツールであるWEBサイト、SNSを開業前に用意しておき、多くの生徒さんを集めましょう。
WEB広告の活用も、英会話教室の集客に非常に有効です。
おわりに
本記事では、英会話教室を開業・経営するために必要な資格や費用について解説しました。
英会話教室の開業に必要な資格はありませんが、英語検定やTOEICといった試験を受験し、高得点を取得しておいたほうが生徒さんの信頼度、集客につながる可能性があります。
開業前にはターゲットやレッスンの形式を決めておき、積極的な集客を行って多くの生徒さんを集めましょう。
コメント