多くの人に美しい文字を書いてもらえるように、書道教室や習字教室を開きたいと考えている方もいらっしゃると思います。
開業場所については、商業施設やビルといったテナントを借りると毎月の家賃が必要となるため、自宅で開業することをおすすめします。
本記事では、書道や習字教室を自宅で開業するために必要なものや資格について解説します。
書道教室を開業するための主な流れ
下記、書道教室を開業するための主な流れです。
1. 事業計画の立案
2. 書道教室を開業する場所を選ぶ
3. スタッフを雇用する
4. 生徒を集客する
5. 個人事業主の場合は開業後1ヶ月以内に開業の届け出を提出する
先述した事業計画は、金融機関から資金を調達する際に用いられます。
また、ほかの書道教室と差別化を図るため、どのような特徴を持たせるのかも事業計画書に記載する必要があります。
金融機関は、これらの情報を参照して出資の可否や出資額などを決定します。
書道教室を開くなら自宅がオススメ!
書道教室は、下記の理由により自宅で開くことをおすすめします。
家賃がかからない
自宅で書道・習字教室を開業することで、家賃を負担する必要が無くなります。
商業施設やビルで開業すると毎月の家賃が発生しますが、自宅の場合は光熱費や、後述するものをそろえるだけで開業することができます。
また、テナントに向かうまでの時間や交通費を削減することができる点も、自宅で開業するメリットだと言えます。
柔軟にスケジュールを組むことができる
自宅で書道・習字教室を開業した場合、経営者の生活スタイルを考慮して運営を行う曜日や時間帯を設定することができます。
賃貸のテナントに入った場合、テナントによっては土日に営業ができなかったり、営業時間が限られたりする場合がありますが、自宅の場合は比較的自由に設定することができます。
書道・習字教室の開業に資格は必要?
結論として、書道・習字教室を開業するために必要な資格はありません。
しかし、書道・習字にはさまざまな流派があるため、その流派の師範の免許を持っておいた方が、集客や信頼性において有利に働きます。
流派によって師範になるために必要な実技や理論といった試験があるため、開業したい方はそれらの試験を通過しておく必要があります。
書道・習字教室の開業に必要な準備
こちらでは、書道・習字教室の開業に必要な資金やものについて解説します。
事業計画・コンセプト設計
事業計画やコンセプトとは、どのような書道教室を運営するのかを具体的に記したものです。
書道教室によってターゲットや目的などが異なり、それぞれに特徴が見受けられます。
特徴や強みがない書道教室には生徒が集まらず、期待しているような収益を上げることができません。
また、先述の通り事業計画やコンセプトは金融機関から出資を受ける際にも必要となります。
開業する場所
書道教室に限らず、教室を開業する際の場所は今後の集客や収益にも影響する、重要な要素です。
駅前など人通りが多い場所に開業すると、多くの生徒が集まる可能性が高い一方、テナント料が高額になります。
また、事業計画やコンセプトに含まれる、ターゲットとなる生徒が集まらない場所に開業をしても収益を上げられないでしょう。
そのため、開業する場所はターゲットが集まりやすい場所を選ぶことが重要です。
必要な資金
書道・習字教室を開業するためには、後述する書道道具やWEBサイトなどの集客ツールが必要です。
書道道具のなかには数百円程度のものや数十万円に達するものもあるため、開業に必要な資金は書道道具にも左右されます。
自宅で始める場合、6人から8人程度を同時に指導することができる環境を整えておくことをおすすめします。
書道道具
書道・習字教室には下記のようなものが含まれます。
・机
・添削用具
・黒板、ホワイトボード
・筆
・墨汁、硯(すずり)
・半紙
先述の通り、書道道具の価格はさまざまなため、どの程度のものをそろえるのかをあらかじめ考えておくことが重要です。
また、生徒さんに最低限のものをそろえておいてもらうことも考えておきましょう。
集客ツール
開業後は多くの方に書道教室の存在を認知してもらうため、WEBサイトやSNS、チラシ、フライヤーといった集客ツールを使う必要があります。
近年ではインターネットを使用して探す方が多くなっているため、WEBサイトやSNSは特に用意する教室が多い傾向にあります。
同業他社の調査
開業前には、近隣にある書道教室の調査をする必要があります。
下記、書道教室の調査で確認しておきたいポイントです。
・月謝
・生徒数
・駅からの距離
・対象年齢
・強み・弱み
これらの情報をもとに、自社にしか出せない強みを見出すことも書道・習字教室の運営を成功させるための重要な要素です。
書道・習字教室の開業に必要な手続きはある?
書道・習字教室を開業する際には、下記の手続きが必要になります。
個人事業主として開業する場合
個人事業主として開業する際には、国税庁に対して「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」を提出する必要があります。
こちらは事業を開始したときや事業所を新設、増設、移転、廃止したときのほか、事業を廃止したときの手続です。
対象者は事業所得や不動産所得、山林所得を受け取る方であり、書道・習字教室の経営者も含まれます。
参考ページ:国税庁ホームページ「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm)
また、開業する都道府県に対しては「個人の事業開始等の申告」が必要となります。
こちらも個人事業の開業届出・廃業届出等手続と同様に、都道府県に対して開業や廃業を知らせるための書類です。
参考ページ:大阪府ピピっとネット「個人の事業開始等の申告」
(https://www.pref.osaka.lg.jp/annai/menkyo/detail.php?recid=2)
法人化して開業する場合
法人として書道・習字教室を開業する際は、下記の手続きが必要となります。
・定款作成
・会社登記
・法人設立届出書
・青色申告の承認申請書
・給与支払事務所等の開設届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・法人設立届出書(地方税)
書道・習字教室の開業・運営で重要なポイント
書道・習字教室の開業・運営する際には、下記のポイントを押さえましょう。
集客
書道・習字教室を運営すると、収益を上げるために集客は重要な要素です。
優秀な指導員や先生を雇用しても、生徒が集まらなければ高額な人件費ばかりが発生するため、赤字経営となるでしょう。
また、集客は開業時だけではなく、継続して生徒を集めるために開業後も行わなければなりません。
かつてはチラシやポスティングなどで集客をしていましたが、近年ではインターネットを利用した集客が可能となりました。
紙媒体だけではなく、Web広告や口コミ、ホームページといった、デジタルツールを利用して集客の最大化を狙いましょう。
顧客管理、月謝の請求・入金管理
書道・習字教室を運営すると生徒の管理や月謝の請求、入金管理などさまざまな事務作業があります。
法人の場合は専門のスタッフを雇用しますが、個人で開業する際は先生がこれらの業務を行うことが多いです。
これらの作業負担を軽減するためには、ツールやシステムを導入することがおすすめの対策となります。
おわりに
本記事では、書道・習字教室を自宅で開業するために必要な資格やものについて解説しました。
書道・習字教室を開業するためには資格は不要ですが、所属していた流派の師範の免許を持っておいた方が、集客や信頼性において有利に働きます。
開業前には書道道具や集客ツール、同業他社の調査を行うために必要な資金を集めておく必要があります。
自宅で書道・習字教室を開業することによりテナント料が発生しないため、効率良く経営することができます。
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